日本最古のフェルトは羊毛製であることが判明。

正倉院の毛氈素材は羊毛 科学的根拠で証明
宮内庁正倉院事務所(奈良市)は、正倉院所蔵の敷物「毛氈(もうせん)」(フェルト)の素材が、従来考えられていたカシミヤに似た山羊(やぎ)の毛ではなく、羊毛であることが分かったと発表した。
毛氈は、動物の毛に熱や圧力を加えて繊維をからませ、フェルト化したもの。
紀元前から、中央アジアの遊牧民が敷物や壁掛けなどとして使用していた。
正倉院に伝わる毛氈も中国などからの輸入品と考えられ、聖武天皇が愛用した華やかな文様の「花氈(かせん)」や「色氈(しきせん)」などが残っている。
今回、新たにマイクロスコープや電子顕微鏡を使い、剥落した毛を縦に切った断面図も調査。
結果、これまで「カシミヤに似た古品種の山羊毛」とみていた素材は、中央アジアや中国の羊の毛に類似していることが分かった。
実際に試作してみると、カシミヤは耐久性に乏しく、フェルト化しにくいことも確認された。

日本史に出てくる羊毛製品については、ずっと江戸期の羅紗の話ばかりをしていたのですが、このたびak様に教えていただいたこのニュースで、一気に時代をさかのぼってしまいました。ありがとうございます。
羊を描いた正倉院宝物はいろいろご紹介したことがあるのですが、素材が羊毛のものについてお話するのは初めてです。羊の姿だけが入ってきていて羊毛製品が無いというのは、どうにも落ち着かなかったので、こちらのニュースを見てなんだかほっとしました。
調査結果は、「正倉院ホームページ」にて全文閲覧可能です。ぜひ。

ひつじ話

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